綴りではnなのに、mのような音が聞こえる。音が消えたのではなく、隣の子音へ近づいている場合があります。この変化が同化(assimilation)です。
同化は隣の音へ近づく変化
子音は、舌や唇をどこで使うか、息や声をどう出すかで作られます。短い時間に違う位置の子音が続くと、口は次の音を早めに準備することがあります。その結果、前の音が次の音と似た作り方へ近づきます。
BBC Learning Englishの発音資料では、nのあとに唇で作るpやbが続くと、nが同じく唇で作るmに近づく例が説明されています。
変わった音と次の音を一組で見る
同化を疑うとき、聞こえた一音だけを辞書で探しません。原文で前後を見ます。
- 綴りと違って聞こえた子音を見つける。
- その直後の子音を確認する。
- 舌・唇を同じ場所へ近づけると発音しやすい組み合わせか考える。
- 音声をもう一度聞き、変化した音と次の音を続けて捉える。
たとえばcan buyの境界では、canの/n/の次に、唇を閉じる/b/が来ます。速い発話では/n/が/m/に近づく可能性があります。例は「必ずこう発音する」という暗記ではなく、前後を見るための型です。
リンキング・脱落との違い
同じ発話に複数の現象が重なることはあります。聞き手が必ず一つの名称へ分類する必要はありません。「音がない」のか「別の音に近い」のかを考えるだけでも、綴り通りの音を待ち続けずに済みます。
口の準備をゆっくり確かめる
原文と反復再生が使える短い例で行います。
- 対象の二語を、語の間で止めてゆっくり読む。
- 次に、間を空けず続けて読む。
- 舌や唇が、次の子音を早めに準備していないか感じる。
- 元の音声を聞き、同じ境目を確認する。
自分の発音を話者と同じにすることが目的ではありません。前後の動きを知ることで、綴りと違う音が聞こえたときに候補を持てます。
同化を万能な説明にしない
アクセント、話速、個人差で変化の程度は異なります。また、録音が不明瞭、単語を知らない、別の音変化が重なっている場合もあります。
一箇所で「次の音が影響したかもしれない」と説明できれば十分です。すべての発音を規則だけで予測しようとせず、原文と実際の音を最後に確認します。
綴りと違う子音を、直後の音と一組で観察し、同化の候補として説明できる