英語が聞き取れないと、「もっと集中する」「何度も聞く」と考えがちです。しかし、文字で読んでも分からない文と、読めば分かるのに音では気づけない文では、必要な練習が違います。
最初にすることは、耳の良し悪しを判断することではありません。理解がどこで止まっているかを、手前から順に確かめることです。
英語が聞き取れない4つの原因
| 原因 | 起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| 文字理解 | 英文を見ても単語や文の意味が分からない | 語彙・文法を確認する |
| 音の認識 | 文字なら分かるのに、音では単語に気づけない | 文字と実際の音を比べる |
| 意味処理 | 単語はいくつか聞こえるが、文の内容が残らない | 意味のまとまりで捉える |
| 教材の難しさ | 話題・語彙・長さ・速さが今の段階に合わない | より短く明瞭な教材へ替える |
この四つは、聞いているものが動画でも会話でも起こります。媒体名だけでは原因を決められません。字幕、原文、巻き戻しなどが使えるかどうかも、個々の状況で異なります。
原因は手前から順に確かめる
診断には、短く明瞭で、英文と音声の両方を確認できる学習用教材を一つ使います。今困っている音声に原文がなければ、診断用の教材を別に用意して構いません。
- 英文だけを読み、だいたいの意味を言えるか確認する。
- 意味が分かるなら音声を聞き、知っている語に気づけるか確認する。
- 語が聞こえるなら、文全体の要点を日本語で短く言えるか確認する。
- どの段階も難しければ、文を短くするか教材レベルを下げる。
文字で分からない文を、耳だけの問題として扱わないことが大切です。反対に、文字ならすぐ分かる文を単語帳だけで復習しても、文中の音との結びつきは確かめられません。
文字で分かるかが最初の分かれ道
英文を読んでも意味が分からないなら、知らない単語または文法を一つ確認します。文全体を完璧に訳す必要はありません。「誰が何をしたか」をおおまかに言えれば、次の音の確認へ進めます。
文字では分かるのに音声で単語を見つけられないなら、知っている英単語が聞き取れない理由へ進みます。英語では、語と語がつながる、短い語が弱くなる、子音が明瞭に現れないといった変化があります。
単語が聞こえても内容が残らない場合
聞こえた単語を一つずつ日本語へ訳していると、次の音を処理する時間が足りなくなることがあります。この場合は、音をさらに細かくする前に、短い文を語順のまま意味のまとまりで受け取れるか確かめます。
たとえば「誰が」「何をする」「いつ・どこで」の三つに分け、聞いたあと一文で言い直します。詳しい進め方は単語は聞こえるのに意味が分からない原因で説明します。
全部が難しいなら教材を替える
固有名詞が多い、話題の予備知識がない、一文が長い、知らない語が続く素材は、初級者の原因診断には向きません。興味があることと、練習しやすいことは別です。
British CouncilのA1リスニング教材のように、身近な場面を扱い、課題と原文を確認できるものから始めると、どこで止まったかを確かめやすくなります。選び方は初心者向けリスニング教材の選び方にまとめています。
今日決めるのは次の一つだけ
- 文字でも分からない → 単語または文法を一つ確認する
- 文字なら分かるが音で分からない → 文字と音を一文だけ比べる
- 単語は聞こえるが内容が残らない → 一文の要点を短く言い直す
- どれも難しい → 教材を短く、やさしくする
「英語が聞き取れない」は、まだ診断前の状態を表す言葉です。四つのどこにいるか分かれば、同じ方法を闇雲に繰り返さずに済みます。
聞き取れない状態を4つに分け、次に読む記事または試す練習を一つ選べる