英語では、単語と単語の間に空白が書かれていても、話すときに同じ場所で休むとは限りません。前の語の最後と次の語の最初がなめらかにつながると、知っている二語が知らない一語のように聞こえます。
リンキングは単語の境目で起こる
初心者が最初に見つけやすいのは、子音で終わる語+母音で始まる語の組み合わせです。
pick it upturn it onan old apple
たとえばpick itでは、pickの最後の子音がitの母音へ続きます。説明のために単語を離して書いても、実際の発話は一息で流れることがあります。
カタカナで一つの聞こえ方へ固定することはできません。話者や前後の音で変わるため、原文で候補を見つけ、実際の音で確かめます。
なぜ知っている単語を見失うのか
単語帳では、単語を単独で聞きます。その音には、はっきりした始まりと終わりがあります。文では次の語へ休まず進むため、覚えた境目がそのまま現れません。
聞き手がpickの終わりで区切りを待っていると、次の母音へ渡った子音をitの一部として受け取り、どちらの語にも気づけないことがあります。語彙を忘れたのではなく、区切る場所の予測がずれています。
原文でつながる候補を探す
短い英文を用意し、次の順に見ます。
- 語末が子音の語へ下線を引く。
- 次の語が母音で始まるか確認する。
- 二語の間に大きな意味の区切りや間がないか見る。
- 実際の音声を聞き、なめらかに続くか確認する。
綴りだけで「必ずこの音になる」と決めません。原文は候補探し、音声は確認に使います。
弱形・脱落との違い
境目が分からない原因はリンキングだけではありません。
| 聞こえ方 | 主な現象 |
|---|---|
| 前の子音が次の母音へ続く | リンキング |
| and・of・toなどが短く弱い | 弱形 |
| 綴りにある子音が明瞭に現れない | 脱落 |
| 隣の子音に近い音へ変わる | 同化 |
一つの場所に複数の現象が重なることもあります。初めからすべてを説明せず、まず「ここは二語が休まず続く」と分かれば十分です。
一箇所だけ結び直す練習
原文と反復再生が使える短い練習用音声で行います。
- 英文の意味を確認する。
- 子音終わり+母音始まりの境目を一つ囲む。
- 文字を見ながら聞き、その場所を指でなぞる。
- 二語を離さず、ゆっくり一度だけ声に出す。
- 文字を閉じて聞き、二語を見つけられるか確かめる。
ピンが灯すのは、答えではなく確認する一箇所だけです。一回の練習で一つの境目が分かれば、次の音声でも同じ並びを候補として見つけられます。
子音で終わる語と母音で始まる語の境目を一箇所見つけ、つながりを予測できる