英文には子音が書いてある。それなのに、どれほど集中してもその音が聞こえない。続けて話す英語では、綴りに対応する音がいつも同じ明瞭さで並ぶわけではありません。
脱落は音が明瞭に現れない現象
脱落(elision)は、発話の流れの中で、ある音が独立した音として明瞭に現れないことです。特に、複数の子音を短い時間で続ける場所では、口の動きを簡単にするため一音が聞こえにくくなることがあります。
単語の内部でも、会話の流れでも起こります。British Councilのconnected speech教材では、速く自然な発話で音が省かれる現象が扱われています。
子音が連続する場所を見る
原文で、次のような場所を探します。
- 一つの語の中で子音が続く
- 子音で終わる語の次も子音で始まる
- 似た口の動きを短時間で切り替える
たとえばnext dayの語境界では、nextの末尾とdayの最初に子音が集まります。話者や発話の丁寧さによって実現は変わりますが、綴りの一字一字を均等に待つと追いにくい場所です。
例をカタカナへ固定せず、原文で子音の並びを確認し、実際の教材音声でどこまで明瞭かを聞きます。
つながる・消える・変わるを分ける
| 現象 | 音の見方 |
|---|---|
| リンキング | 前の音が次の母音へ続く |
| 脱落 | 一音が独立して明瞭に現れない |
| 同化 | 隣の音に影響され、別の音に近づく |
| 弱形 | 機能語全体が短く弱くなる |
「聞こえない」という結果だけで分類せず、前後にどんな音があるかを見ます。音が残って場所を移したのか、短くなったのか、隣へ近づいたのかを一つずつ確かめます。
聞こえない音を探し続けない練習
- 原文と意味を確認する。
- 子音が連続する場所を一つ囲む。
- 音声を聞き、各子音が独立して聞こえるか確認する。
- 明瞭でない音は空欄のまま、前後の音だけを記録する。
- 原文を見ながらゆっくり読み、自然に少し速くして口の動きを比べる。
脱落を「この音は絶対にゼロになる規則」として暗記しないことが大切です。丁寧な発話では明瞭になることもあり、話者差もあります。聞き取りでは、綴り通りの強い音だけを待たないための候補として使います。
一箇所を説明できればよい
音声のすべての脱落を見つける必要はありません。「ここは子音が続くため、真ん中の音が明瞭でない可能性がある」と一箇所説明できれば、その回の目的は達成です。
聞こえない音を自分の集中力不足にせず、発話の仕組みとして観察できるようになることが、この知識の役割です。
子音が連続する一箇所で、聞こえない音を繰り返し探す前に脱落の可能性を考えられる
