知っている単語が聞き取れないと、「単語の覚え方が足りない」と感じるかもしれません。けれど、文字を見れば意味も発音も思い出せるなら、足りないのは語彙数ではなく、単独で覚えた音と文中の音の結びつきかもしれません。
単語は文の中で同じ形のまま聞こえない
英語を続けて話すと、語と語の境目で音が影響し合います。British Councilはconnected speechの特徴として、リンキング、弱形、音の脱落や変化などを説明しています。
たとえば、次の違いがあります。
- 語末の子音と次の母音がつながる
and、to、ofのような短い語が弱くなる- 子音が続く場所で、一つの音が明瞭に現れない
- 情報を担う語は強く、ほかの語は短くなる
綴りが変わったわけではありません。文の流れの中で、時間の配分と音の境目が変わっています。
最初に「本当に知っているか」を確かめる
聞こえなかった一文を文字で確認できる場合は、次の三つを見ます。
- 単語の意味を、その文の中で説明できるか。
- 文全体の大意を、ゆっくり読めば言えるか。
- 単語を単独で発音した音を知っているか。
一つ目か二つ目で止まるなら、先に語彙や文法を確認します。三つとも分かるのに音声で気づけない場合が、文中音を調べる段階です。
一語ではなく前後と一緒に比べる
聞こえなかった単語だけを何度も再生するより、前後一語を含むまとまりで確認します。境目に原因があることが多いためです。
| 見る場所 | 疑うこと | 読む記事 |
|---|---|---|
| 子音で終わる語+母音で始まる語 | 音のつながり | リンキング |
| and・of・to・canなど | 弱形 | 弱形 |
| 子音が連続する場所 | 脱落 | 脱落 |
| 強い語の間にある短い語 | 文の強弱 | 強勢とリズム |
すべての規則を一度に当てはめる必要はありません。「この境目はつながっている」のように、一箇所を説明できれば十分です。
文字と音を結び直す練習
原文と反復再生が使える短い学習用音声で行います。今聞いている音声にその条件がなければ、別の教材を診断用に使います。
- 英文を読み、意味を確認する。
- 音声を一度聞き、気づけなかった語に印を付ける。
- その語の前後を見て、つながり・弱形・脱落・強勢の候補を一つ選ぶ。
- 英文を見ながら聞き、印の場所を指で追う。
- 英文を閉じ、同じ一文でその語に気づけるか確かめる。
成功は、文全体を完全に書き取ることではありません。「知っている単語が、文ではこの形で通る」と一つ結び直せたことです。
単語学習の失敗と決めつけない
単語帳で覚えた知識は無駄ではありません。文字の形、意味、単独の音があるからこそ、文中の変化と比べられます。必要なのは覚え直しではなく、使われたときの音を追加することです。
一方、英文を見ても意味が取れない場合は、単語不足か音の問題かを見分ける記事へ戻りましょう。原因を分けるほど、練習は小さくなります。
知っている単語の単独音と文中音を比べ、聞き取れなかった理由を一つ説明できる