英文にはandやtoが書いてあるのに、音声では聞こえない。これは、話者が単語を勝手に省いたとは限りません。文の中心として強調されない短い語は、単独で読むときより弱く短く発音されることがあります。
弱形は機能語の文中での姿
名詞、主要な動詞、形容詞など、内容を担う語は比較的強くなります。一方、次のような文法関係を作る語は、強調されなければ短くなりやすい傾向があります。
- 冠詞:
a、an、the - 前置詞・不定詞:
of、to、for - 接続詞:
and - 助動詞:
can、haveなど
弱くなると、母音が短く曖昧になったり、子音のほうが目立ったりします。この中央寄りの曖昧な母音はschwa(シュワー)と呼ばれ、発音記号では一般に/ə/で表されます。
強形と弱形は役割で切り替わる
弱形は「雑な発音」ではありません。同じ単語でも、文中の役割によって強さが変わります。
たとえばcanは、普通の肯定文で主動詞を支えるときには弱くなりやすく、Yes, I can.のように単語自体が答えや対比の中心になると強くなります。
したがって、「canはいつもこの弱い音」と固定しません。何を伝えたい文かを見て、その語が強調されるかを予測します。
辞書の音だけを待つと聞き逃す
辞書や単語帳では、見出し語を確認しやすいよう、単語が単独で発音されます。その強い形だけを覚えていると、文中の短い形を別の音として通してしまいます。
特に、強い名詞や動詞だけは聞こえるのに、その間の短い語が空白になる場合は弱形の候補です。前後の意味と文法から「ここにtoが必要」「二つをandで結んでいる」と予測したうえで音を確認します。
一語の弱形を確認する手順
原文付きの短い学習用音声を使います。
- 英文を読み、強く伝えたい語へ丸を付ける。
- and・of・to・canなど短い機能語へ下線を引く。
- 音声を聞き、丸の間に下線の語がどれほど短く入るか確認する。
- 文字を見ながら、強い語と弱い語の差を付けて一度読む。
- もう一度聞き、弱い語の位置に気づけるか確かめる。
弱い母音を正確なカタカナへ置き換えることは目標にしません。「強い単独音とは違う」「この位置に短く入る」と分かれば十分です。
聞こえない音を全部、弱形にしない
短い語全体が弱いのではなく、子音が連続して音が明瞭に現れない場合は脱落かもしれません。語と語が一続きに感じるならリンキングも確認します。
まず文の強い語を目印にし、その間にある一語だけを探しましょう。英語の全単語を同じ明瞭さで聞こうとしなくなることが、弱形を理解する最初の変化です。
短い機能語を強い単独発音だけで待たず、文の強弱から一語を予測できる
